WIXを用いたウェブサイト作成 (2017/8/20 執筆)

WIXについて

簡単にウェブサイト(=ホームページ)を作る事ができるWIXが最近話題になっておりますが、皆さんはご存じでしょうか? 一昔前はWYSIWYG型(What You See Is What You Get:見たままの形で編集可能な)エディタはたくさんありましたが、 各ページは作れても、ページのアップロードやレンタルサーバの手配、メールフォーム・掲示板などの設置には、CGIやサーバの知識が少なからず必要で初心者には敷居の高いものがありました。

近年では、AdobeやMicrosoft Officeもクラウド化されて、サーバ上でユーザが編集できるようになってきていますね。 これと同様に、ウェブサイトもクラウド上で編集する事で、サーバの知識を介さずに簡単にウェブサイトが作れる時代になってきているという事でしょう。 という訳で私も少し気になったので私も少しチャレンジしてみることにしました。 尚、Wikipediaによると以下とあります。

Wix.com(ウィックス)は、世界で1億人以上が利用するドラッグ&ドロップのホームページ作成ツール。 無料版と有料版サービスを展開。有料版は独自ドメインの設定や広告非表示の選択ができ、 プレミアムサポートが受けられる。インターネットを通じて個人やビジネスが創造、貢献、成長できるソリューションを提供することを理念としている。

数年で1億人のユーザがいるという事がすべてを語っている気もしますが、私が使った感想を一言で言うと、 「誰でも簡単にホームページを作れる時代になった」です。 WordやPowerpointが扱える人なら簡単に作れると思います(テキストボックスの移動とか、図の移動とかは操作方法は非常に似ています)。

今でもブログが流行っていますが、ブログは主に日記だけを管理するものでしたが、 それに加えてちょっと趣味のページを作ったりする場合には、HTMLなどを勉強したりする必要がありました。 しかし、WIXの登場により、こういった作業すら自動化され、誰でもお手軽にウェブサイトを作れるようになった訳です。 今の時代を制すのはこのようなスタイルなのかもしれませんね。

WIXでのウェブサイト作成

忘れないように以下に簡単に作り方を掲載しておきます。トップページは、https://ja.wix.com/です。

まずはウェブサイトを公開するためのURLアドレスを取得しなければなりません。 このあたりも一昔前なら結構手間がかかる作業だったのですが、ワンクリックで作成されます。 Google+, Facebookのアカウントがあればすぐ作れます。FacebookやGoogle+に情報が漏れたりするわけではなく、 あくまでもログインの手段として使われるだけなので、 「とりあえずホームページを作ってみたい!」という方はこれで作ってしまっても構わないと思います。 フリーのメールアドレスで登録してもOKです。

トップ画面

作れたら、次は下の赤枠の「サイト管理」をまずは選びます。右にたくさんメニューがありますが、 こちらは少し知識が必要な項目ですので、慣れてきたらで良いでしょう。 例えば、「ドメイン」というところだと、「ABC.com」のように自分だけのアドレス(ドメイン)を取得できます。 私のサイトもドメイン(w-frontier.com)を取得していますが、手続きとかが少し面倒なところがありましたが、 こういうところも比較的簡単にできるようになっています。

サイトの管理

作成画面はWordやPowerpointのように編集できますので、使った事のある方なら直感的に操作できるはずです。 私も少しいじってみて作ってみましたが、かなり簡単に作ることができました。

編集画面

レイアウトやデザインのパターンがとにかく豊富です。数え切れないくらいありますので、困る事はないでしょう。 ただ、こうなるとやらかしてしまいがちなのが、 色々試してみたくなってページに埋め込んでいたら、ごちゃごちゃしたページになっていた…です。 使いたいものだけ、シンプルに選んでシンプルに作ることをおすすめします。

コンテンツ内に画像を使いたい場合には、左のメニューの「アップロード」を選んでPC内にある画像をアップロードすれば使えるようになります。 アップロードした画像は、自分でカテゴリを作成して保存しておけるので非常に便利ですね。

上のスクリーンショットの下の方に見えますが、メール投稿フォームも作ってみました(これも一発で作成してくれます)。 必須入力にさせるところや、内容も細かく指定できます。実際に、プレビュー画面で、フォームに入力して送信したところ…

メール送信

届きました!(当たり前ですが)しかも、かなりわかりやすいように表示してくれてますね。 本来はこのようなフォームを作る場合には、HTMLだけなくCGIやサーバの知識も少し必要になったり、 メール送信内容も自分で考える必要があるのですが、すべて自動的に処理してくれるようになるのは非常に楽ですね。

メリット・あると便利な機能

しばらく使ってみて、WIXのメリットとこれがあると便利だな、という機能を挙げてみます。

メリット

  • Wordなどと同じようなショートカットキーが使える(Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Sで保存など)
  • Powerpointと同じように図形を配置したりできる(最前面で移動とか、シェイプの色の変更など)。
  • 作成したページに対してすぐにプレビューで確認できる点
  • メール送信フォームなどが意識せずにすぐに作れる点(HTMLで記述すると結構面倒な上、サーバの知識なども少し必要になるのでこれは大きいです)
  • PC用、スマホ用のページもレイアウト通りに作れば簡単に作れる(いちいち、画面サイズをこちらで考える必要がない)
  • アップロードした画像・動画などは自分でカテゴリを作ってきちんと管理できるので非常に見やすい。 ページで使っている画像はアップロードした画像をコピーしているので、アップロードした画像を消してもリンク切れになることはない。
  • 操作が直感的で非常にわかりやすいので、ヘルプがなくても自分であれこれ試しているうちに自然と使えるようになってくる!(これは私もアプリケーション製作の時には心がけていますが、ユーザインターフェースの面では非常に重要な事かと)
  • ドメインなどもワンタッチで簡単に取得できる点(私もドメイン取りましたが、サーバと関連付けしたり、と結構手間がかかりましたので…)

Wordやパワーポイントで表現できるようなデザインは、WIXですべてできると思っても良いですね。 逆にできない事をしばらく考えてみましたが、思いつきませんでした。 また、改善されると良いと感じた点も記載しておきます。

あると便利な機能

  • WindowsとMacなどでもフォントが異なるので、見え方が変わってきますので、「serif」「sans-serif」などのフォントグループも指定できたら良いのではないかと。OSやブラウザによってデザインが崩れたりする心配がないか、がちょっと気になりますね。
  • ページ数が少ないうちは良いのですが、かなり多くのページ数になった時には、プロジェクトのような管理がないと少し見にくいかも(画像のような管理機能)。
  • Javascriptがオフになっている場合は、サイトが表示されずに真っ白になります。一昔前は、Javasciptはセキュリティの面でオフにすべき、という意見もあったんですが、最近のGoogle Chromeなどでは「Javascript ON(推奨)」となっていました(2017/8/20現在)。 最近は、Javascriptオフではまともにネットサーフィンできなくなってきているのだとしたら問題ないと考えますが。
  • ウェブサイトを長年作っていると、更新などを繰り返して使い古した画像などがどんどん溜まっていく傾向にありますので、「実際に使われている画像かどうか?」がわかれば更に良いでしょうか。
  • 【ここはちょっと高度な話になります】SEO対策(検索エンジン最適化)については、主にheadタグ内の情報を設定するようですが、WIXで作ったウェブサイトのテキスト(いわゆるbodyタグ内)はJavascript化されています。 ソースを見ると、論理要素(p, h1~h6)などはきちんと表記されているようですので、見た目的には少々つっかかるところがありますが、タグの意味合いを見て解析するので問題ないかと考えます。 それでサイト内を見ていると、WIXでは検索エンジンがサイトのコードを正しく読み取れるように、AJAXクロールを使用しているので巡回時にはきちんとしたHTMLソースを取得できている事ですので、問題ないでしょうか。

感想とまとめ

自分も長年ウェブサイト運営してきて、 WIXでのウェブサイト開発については、以下にような人にはとても良いと思いました。

  • ブログなどの限られたコンテンツしか作れなくて物足りなくて悩んでいる人。 もっと、幅広いコンテンツを作って世界へ発信していきたい人
  • ウェブサイト制作時の経費を削減したい個人事業主の方
  • HTMLやスタイルシートのことを勉強してウェブサイトを立ち上げたいけど、良くわからなくて困っている人

逆に以下のような職人さんには向いていないかもしれません。

  • HTMLの文法やスタイルシートの知識がそれなりにあってコードを書くのが好きな人
  • HTMLファイルをローカル上で整理して全体を把握しておきたい人

このような職人さんは全体の割合から見れば少数派かと思います(ウェブ開発業者さんを除いて)。 そういった方は拙作「ez-HTML」やその他HTMLエディタを使っている事と思いますし、私もそのつもりで開発しています。 ただ、このあたりはトレードオフ(一長一短)の関係ですので、自分にあった方式を選べば良いだけの話です。

色々ネット上を調べていると、ウェブ開発業者さんでWIXを否定している記事がちらほらありますが、 業者さんからしたらここまで直感的に簡単にできてしまうと確かに…と感じた次第です。 最初は、Javascript OFFの問題が気にかかってましたが、最近はJavascript ONが主流になってきているようなので、 個人・法人問わずにWIXを利用するのは多いにアリではないか、と考えます。 むしろ一旦、デザイナーさんに作ってもらえれば、あとの細かいところは自社でいじれることによって、 メンテナンス費を抑え、かなりの経費削減につながるのではないでしょうか。

以上、長文を読んでいただきましてありがとうございます。ご参考になれば幸いです。